LTV(Loan TO Value)とは、資産価値に対する負債比率のことをいい、
不動産投資をはじめとした投資事業を行う場合には、出資金・借入金
など、様々な資金の調達方法が考えられます。
100%自己資金、あるいは一部を銀行借り入れ、社債等のその他の
形態の借り入れ、あるいは第三者からの出資等も十分ありえます。
基本的に所有されている不動産物件などの資産価値に対するデッド
(負債)の比率がLTVによって示されます。
例えば100億円の不動産投資事業を自己資金30億円、第三者から
の出資20億円、銀行からの借り入れ40億円、私募債の発行10億円
によって資金調達した場合以下の通りです。
エクイティ(出資)が30億円+20億円=50億円
テッドが40億円+10億円=50億円となりLTVは50%となります。
例えば、
銀行がマンション建設資金などに融資する場合、担保価値の
融資率(掛け目率)として資産の時価評価60%を上限に融資する場合
にもLTV60%を上限に融資する場合もLTV60%ということになります。
日本では、LTVの考え方は認知はされておりますが、LTVと対になって
いるPTIとなると、一般にはほとんど知られておりません。ちなみにPTI
はPay to Incomeのことで収益に対する能力を示す指標です。
収益性による担保価値に対する考え方が、偏っていた日本の金融シス
テムの大きな関心であったことを物語っております。ノンリコースローン
では、実際にLTVよりも PTIのほうが重要視されます。
投資における出資額に対する収益性の指標として、ROE(株主資本利
益率:Return On Equity)がございます。特に不動産投資については、
ROEを改善する戦略としてレバレッジ効果を使用いたします。
LTVはこのレバレッジによる財務リスクの指標ともなります。レバレッジ
効果は、日本においては特にバブル経済時に多用され、巨額な銀行
借入によって不動産投資が促進されました。
その結果として、不動産担保融資に対する融資残高が急増したために、
その後の不良債権問題となりました。
これら経済成長から破綻までの一連の経済事象を、レバレッジ効果と
逆レバレッジ効果で説明することができます。
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